【500万円未満でも違反になる?】一式工事と専門工事の金額基準と誤解
- reingnagao
- 8月4日
- 読了時間: 4分
更新日:4 日前

── 許可不要の“軽微な工事”にも落とし穴がある
「500万円未満の工事だから建設業許可はいらない」——建設業者やリフォーム業者の間でよく聞かれる話ですが、実はこの認識、正しいようでいて誤解されやすいポイントが多く存在します。
本記事では、建設業法に基づく「許可不要工事」の金額基準と誤解されやすい点、さらには違反した場合の罰則(刑罰)まで含めてわかりやすく解説します。
目次
1. 「軽微な工事」とは?建設業許可が不要な条件
建設業法では、すべての工事に建設業許可が必要なわけではありません。例外として、「軽微な工事」については無許可でも請負が可能とされています。
【建設業法施行令第1条】に基づく「軽微な工事」の定義:
工事の種類 | 許可不要の条件 |
建築一式工事 | 請負代金が税込1,500万円未満または延べ面積150㎡未満の木造住宅 |
建築一式以外の工事(=専門工事) | 請負代金が税込500万円未満 |
※税込か税抜かの取扱いについて、「税込」で判断することが一般的です
(国土交通省の見解に基づく)。
2. 一式工事と専門工事の金額基準の違い
ここでいう「一式工事」とは、総合的な企画・指導・調整のもとに行う建築物の建設を指します(建設業法施行規則第2条)。
◎ 建築一式工事の例:
新築住宅の建築
ビルや店舗の設計施工(元請)
一方、「専門工事」とは、大工工事・内装工事・管工事・塗装工事など、特定の施工部分のみを行う工事です。
◎ 専門工事の例:
クロス張替えのみ⇒内装
キッチンの設備配管交換⇒管
壁の塗装工事⇒塗装
これらの区別により、許可が不要な「金額基準」が変わるため、業種によって適用条件を正確に理解する必要があります。
3. 実務でよくある誤解|合算・材料費・税込扱い
許可不要工事と判断する際、以下のような「誤った理解」に基づいて営業してしまうケースが非常に多く見られます。
❌ 誤解1:材料支給だから金額は安く見積もっていい
→ 材料を施主が用意していても、工事全体の**請負代金(税込)**が基準になります。
❌ 誤解2:職人2人分の作業を別契約にすれば500万円以下になる
→ 同一現場で行う工事は、一連の契約として合算して判断されます。
❌ 誤解3:税抜で498万円だからOK
→ 建設業許可における金額判定は税込表示が原則です。税込だと500万円を超える場合、許可が必要になります。
このような誤解があると、知らず知らずのうちに無許可営業(建設業法第3条違反)をしてしまうリスクがあります。
4. 違反した場合の罰則・け負った場合、建設業法に基づき刑事罰の対象になります。刑罰とは?
建設業許可が必要な工事を無許可で請
【建設業法第47条第1号】
「第3条の規定に違反して、建設工事の請負契約を締結した者は、3年以下の懲役または300万円以下の罰金、またはその併科に処する。」
また、法人が違反した場合には、【同法第50条】に基づき、その法人と代表者双方が処罰対象になります。
加えて、過去に違反がある事業者が新たに許可申請をした場合、欠格要件(第8条)に該当して許可が下りないケースもあります。
✅ 短期的な売上より、長期的な信用を守るために、適切な許可取得が重要です。
5. 適正な判断と許可取得でリスクを回避する
現場単位では、工事金額や工種の判定が難しいこともあります。とくにリフォーム工事や内装仕上げなど、工種が複数にまたがるケースでは、**「いつの間にか許可要件を超えていた」**ということも起こり得ます。
✅ 許可を取得することで…
法令違反のリスクを回避
大手業者や元請けとの取引チャンスが増える
公共工事や補助金対象事業に参入しやすくなる
営業資料・見積書に「許可番号」が記載でき、信用力アップ
まとめ|「500万円未満だから大丈夫」は通用しない時代へ
建設業許可は、「500万円未満の工事なら不要」という単純な話ではなく、工事の内容・構成・金額の算出方法まで含めた正確な理解が必要です。
誤解による無許可営業は、罰金刑・懲役刑の対象となる重大な法令違反。知らなかったでは済まされない時代だからこそ、許可取得の検討を早めに始めましょう。
Re.ing行政書士事務所では、実際の工種や金額構成をもとに「許可が必要かどうか」の無料診断を実施しています。迷ったら、ぜひ一度ご相談ください。
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