在留資格「経営・管理」:外国に住んだままでも日本で会社設立は可能?取得の正しい手順と注意点
- reingnagao
- 6月9日
- 読了時間: 5分

【目次】
1. はじめに:よくある誤解と正しい視点
「会社を作れば日本に住める」「法人登記が完了すればビザも自動で取れる」
といった声は多くありますが、これらはすべて誤解です。
✅ 日本での法人設立
と
✅ 日本での居住を可能にする在留資格(ビザ)の取得
は、別個の手続きです。しかも、どちらも一定の条件を満たす必要があり、順序や方法を誤るとビザが下りない可能性もあります。
本記事では、こうした誤解を排除し、外国に居住したまま日本法人を設立し、将来的に「経営・管理」ビザを取得するための正しい方法と注意点を、専門家の立場からわかりやすく解説します。
2. 外国居住者が日本で会社設立はできるのか?
結論から言うと、外国に居住していても、日本で株式会社などを設立することは可能です。
ただし、日本国内での法人登記の実務上、以下の点に配慮が必要です:
設立時の代表取締役が日本在住である必要はありません(法的には非居住者も就任可)
ただし、会社設立に必要な手続き(定款認証・出資金の振込・印鑑届など)を滞りなく進めるには、現地対応可能な代理人(司法書士など)の存在が実務上ほぼ必須です
3. 会社設立から在留資格「経営・管理」取得までの全体像
外国人が国外から日本に法人を設立し、その後「経営・管理」ビザを取得するための基本的な流れは以下のとおりです。
【ステップ1】事業計画の策定
市場分析、事業内容、予算・人員体制などを明確化
【ステップ2】会社設立手続き
定款作成・公証人認証
資本金の振込(国外口座→日本の指定口座)
登記申請(代理人を通じて行う)
※この段階では、まだビザは必要ありません。非居住のままでも登記可能です。
【ステップ3】「経営・管理」ビザ申請準備
事業所の確保(物理的実体がある賃貸オフィス等)
事業開始準備(契約書、販路、仕入れなどの具体的資料)
ビザ申請書類の整備(登記簿謄本、資本金出資証明、雇用計画など)
【ステップ4】在留資格認定証明書の交付申請(COE)
日本国内の出入国在留管理局へ申請
通常、1~3か月の審査期間
【ステップ5】在外公館での査証取得 → 日本入国
COE交付後、母国の日本大使館・領事館でビザを取得し入国
4. 海外居住者が設立を進める際の実務上の注意点
外国在住のまま法人を設立する場合、以下のような実務上の課題が想定されます:
定款認証や登記の手続きには、**日本国内での委任先(司法書士等)**が必要
出資金の振込先をどう確保するか(国内の代理人の口座や資本金払込サポートサービスの活用)
会社の代表印・印鑑証明書などの管理(印鑑届が必要)
設立後の税務・労務手続きのための顧問税理士等の体制構築
5. 「経営・管理」ビザを取得するための要件
会社を設立しただけでは、在留資格「経営・管理」は取得できません。主な要件は以下のとおりです:
要件 | 内容 |
物理的な事業所 | 賃貸契約書が必要。バーチャルオフィスは不可 |
資本金 | 原則500万円以上が基準 |
経営実態 | 実際の取引・契約の有無、販路、顧客、従業員雇用予定などの証明 |
経営者の役職 | 申請者が会社の取締役等、意思決定者であること |
継続性 | 中長期的に持続可能な事業計画であること |
6. 法人設立と在留資格取得のズレに注意
特に重要なのが、「法人登記はできたが、ビザが下りない」ケースが意外に多いという点です。原因の多くは以下のような誤認です:
設立後も事業所を確保していない
取引実態が薄く、実質的な活動が証明できない
出資金の正当性が証明できない
したがって、会社設立はビザ取得の“前提条件”でしかないと考え、事業の実体作りを同時に進めることが極めて重要です。
7. よくある誤解とその解説
誤解 | 実際のところ |
法人設立すればすぐにビザが下りる | ビザは別手続きで審査も厳格 |
日本在住の代表取締役が必要 | 法的には非居住者でも可。ただし実務対応に支障が出ることも |
海外口座から出資できない | 出資金は国外送金でも可能。ただし証明書類が必要 |
事務所は登記上の本店だけでOK | 実際の使用実体があることが求められる |
法人名義の銀行口座はすぐに開ける | ビザ取得後でなければ開設困難な銀行も多い |
8. なぜ専門家(行政書士)への相談が不可欠なのか
在留資格「経営・管理」は、通常の法人設立とは異なり、
出入国管理制度
会社法・商業登記法
税務・労務・ビザ審査の運用
など、複数の法律分野と実務知識が交差する高度な申請です。
さらに、書類の整備、事務所確保、出資の合法性の証明、税務対応など、多くの作業が発生するため、自己判断では失敗しやすい領域です。
9. Re.ing行政書士事務所のサポートについて
Re.ing行政書士事務所では、外国人による日本での起業・在留資格申請を数多く支援してきました。
弊所の強み:
日本法人の設立手続きフルサポート
外国居住者向けの委任・郵送対応に精通
経営・管理ビザの書類作成・立証方法に強い
税理士・司法書士など他士業との連携による一貫支援
英語・中国語等での対応も柔軟に可能
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10. まとめ
外国に居住したままでも、日本で会社を設立し、将来的に「経営・管理」ビザを取得することは可能です。ただし、法人設立とビザ取得は別のプロセスであり、正しい順序と準備が不可欠です。
事業の実態をしっかり整えた上で、ビザ取得に向けた申請戦略を立てることが重要です。成功の鍵は、信頼できる専門家に早期から相談すること。
▶ ご相談・ご依頼は、Re.ing行政書士事務所へ。
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